子ども向けのプログラミング教室もオンライン形式が増えてきました。
2010年代後半から、ZOOMやTeamsなどの環境が整ったこともありますし、小学生のうちからパソコンを扱う機会が増えたことも大きいと思います。
私自身が学習塾教室長の経験があり、長女が公立中高一貫校に進学したこともあったので、プログラミング学習に関する環境の変化を肌で感じてきました。
あなたのお子さんが小学生で、プログラミング教室を検討しているようであれば、参考にしてもらえるとうれしいです。
オンラインのプログラミング教室に関しては、特に
「オンラインは何がいいの?」
「リアル教室じゃダメなの?」
というご家庭も多いと思います。
小学生高学年のプログラミング教室に関しては、オンラインで受講することをおすすめします。オンラインのプログラミング教室とリアル教室、それぞれのメリット・デメリットをまとめます。
個人的におすすめのオンラインのプログラミング教室も紹介します。
- 小学生にとってのプログラミング
- 何のためのプログラミング?
- プログラミングは習得レベルの差が大きい
- なぜオンライン教室なのか?
- オンライン プログラミング教室のメリット
- オンライン プログラミング教室のデメリット
- 小学生向けオンライン プログラミング教室 おすすめ3選
- まとめ
小学生にとってのプログラミング
中学生や高校生になってからも、ある程度のプログラミングを教わることになります。ここ数年で小学校のカリキュラムでも扱う時間が増えましたが、小学生のうちは
「パソコンそのものに慣れる」
「プログラミングの仕組みをかじる」
という2つの目的を、中途半端に教わる感じです。
これは中学生になってもあまり変わらず、高校の進路によって
「情報処理科でワープロ検定を取得する」
「工業化で専門ソフトを使う」
のような目的にアップデートします。
それを考えると
「小学生のうちからプログラミングを勉強して何になるの?」
と思うご家庭が多いと思いますし、実際に聞いてきました。
進路がIT方面になるのであれば、早い段階から触っておいた方が良いでしょう。そうでなければ「そんなことにお金と時間をかけてどうするの?」となっても仕方がありません。
文科省の建前や多くのプログラミング教室の主張をまとめると
・理系的思考(論理的思考)を養う
・IT技術を持った人材を数多く育成したい
という感じでしょう。それだけで「あっ、それならプログラミングやらなきゃね」と、いったいどれくらいのご家庭が思うのでしょうか…
何のためのプログラミング?
プログラミングができるようになっても、成績が比例して伸びる保証はないですし、多くの場合は受験にも直結しません。
私が考えるプログラミングを教わる目的は2つです。
①キーボード操作をなるべく爆速にする
②スマホやタブレットでなく、パソコンを扱えるようにする
ひとつずつ解説します。
①キーボード操作をなるべく爆速にする
プログラミングの仕組みを習得することは重要ですが、個人的にはキーボード操作、タイピングが爆速になることの方が圧倒的に大切です。
仕事をしていると、考える時間の長さで業務効率は変わりますが、早く打ち込みできるかどうかも大きく影響します。
機械的に打ち込むだけのスキル、何かを考えながら打ち込むスキル、性質の異なるスキルですが、これが爆速になるだけで仕事の質が上がり、早く片付けることができれば、結果的に身を助けることになります。
②スマホやタブレットでなく、パソコンを扱えるようにする
よく「スマホやタブレットで用事が済む時代だから、パソコンスキルは不要では?」と考える方がいますが、それはほとんど正解です。
しかしながら、スマホやタブレットには大きな弱点があります。それは
・スマホやタブレットでは情報収集量が少ない
・スマホやタブレットは基本的に消費するための端末
という2点です。
画面が小さいので、どうしても一度に目に入る情報量は少なくなります。さらに決定的な違いは
・パソコンは何かを生み出すためのツール
・スマホはそれを消費するためのツール
という特徴です。
もちろんスマホでも、動画や音楽を作ったりすることはできますが、趣味レベルで終わってしまうのが現実です。
何か価値のある物を作り出そうと考えたら、パソコンで必要充分なソフトをインストールして(or クラウド上で)行わなければなりません。
極端な表現をすると、スマホやタブレットだけで生活しているのは、誰かが作った物に対して、お金と時間を払っているだけ(浪費しているだけ)の状態です。
パソコンが使えることは、上記のように大きな意味を持ちます。
やがてお子さんが成長して社会に出て、一生懸命働いて振り込まれる給料とある程度の自由時間は、誰かが作ったシステムに消費されて終わってしまう現実があります。
みんな誰もが「パソコンを使って何かを作れるようになるべき」と主張するつもりはありません。
しかし「パソコンを使って何かを作る」という仕組みを知り、いつか「作る側にチャレンジしたい」と考えた時に、小学生時代のプログラミングスキルがあれば安心と自信に繋がるでしょう。
プログラミングは習得レベルの差が大きい
あなたがお子さんを持つ親だとして、数十年前を振り返ってみると、プログラミングを教えられる先生って一握りだったと思います。そういう時代だったので、これは仕方がないことです。
あなたと同じような環境で、現在の先生は大人になったのですから
・プログラミングを効率よく、上手に教えられるか?
というレベルを要求するのは酷な話です。
想像してみるとシンプルな現象です。
小学校や中学校で、プログラミング教育に不慣れ(=教えるプロとして教わっていない)先生が、どうにか指導要綱の通りに進めて
「プログラミングは教えました…」
と言える状態にするのが精一杯というところです。
なぜオンライン教室なのか?
小学校低学年のうちは、どちらにしろ論理的思考ができる成長段階ではありませんから、プログラミング教室の必要性を感じません。
どうしてもやるなら直感的な動作に繋がる、対面型のロボット教室が良いでしょう。
小学校高学年のプログラミング教室については、オンラインで充分、むしろオンラインが向いています。
極端な例ですが、国語や数学をリアル教室(一般的な学習塾や家庭教師)で教わる意味はたくさんあります。
・漢字の書き順を確認できる
・原稿用紙の使い方を手元から教えられる
・計算する手順を確認できる
・グラフや図形問題のメモの仕方を教えられる
このように、正解にたどり着くまでのプロセスを改善できますので、たくさんのメリットがあります。
プログラミングはどうでしょうか?
講師の説明を聞いて、ルールを理解して、自分のイメージしている通りにプログラミングを行う、そのためにリアル教室が必要でしょうか?
現在のスキルを的確に把握してくれて、プログラミングを正しいステップで導く講師さえいれば、プログラミング教室は成立します。むしろお子さんの周りに余計な物や友達がいない方が、集中できるので効果は高まります。
学校の教室のように、すぐ近くに友達がいるとパソコンはおもちゃになってしまって、逆効果になるケースが多いです。
ちょっとだけ日常と切り分けて、プログラミングの世界に踏み入れる感覚があった方が、頭の中が「プログラミングタイム」になります。そのためのもっともわかりやすい方法が、オンラインです。
オンラインであれば、画面越しにプロ講師とコミュニケーションを行います。良い意味で、それしかできない環境に切り替わります。その授業内容がお子さんに合っていて、小学校~中学校生活に溶け込めば、プログラミングのスキルと経験はどんどん重なっていきます。
オンライン プログラミング教室のメリット
①PCとインターネット環境があれば、自宅から受講できる
→リビングでもお子さんの部屋でも受講できるのですが、何より大きいのは送迎がないことですね。
送迎は毎回のことになるので、親子どちらにとってももったいない時間です。兄弟もいたらバタバタの毎日で、慢性的にイライラする原因になります。
②レベルの高い講師が揃いやすい
→これは①と同じことですが、プログラミングを教えることが上手な先生が、お子さんが通える範囲にいるかどうかは、どうにもならない問題です。
オンラインであれば、日本全国の(特に首都圏レベルの)経験豊富な講師をマッチングさせることができます。②については努力のしようがないので、オンラインにする効果はとても大きいです。
③授業に集中できる
→上記のように、お子さんの周りには何もなく「パソコンとその向こうの講師しかいない」という環境が理想的です。
気が散らず、画面越しであれば恥ずかしい思いをすることなく質問したり、大胆にチャレンジすることができます。
会ったこともない講師、というのが実はプラスに働きます。
④パソコンを使った学習環境に慣れる
→高校生や大学生、さらに社会人になっても、オンラインで教わる機会はますます増えていきます。どのような内容や目的であっても、抵抗なくオンライン環境を使いこなせることは、大きな安心材料です。
もっとも大きい効果は「オンライン授業以外の時間でも、もっとチャレンジしやすい」ということがあります。
一般的な通うプログラミング教室だと、どうしても「プログラミングをする時間 or やらない時間」がはっきり分かれてしまいます。
ダラダラやるのはNGですが、想像してみてください。
寝るのも食べるのも忘れて、プログラミングにハマってくれたら、それはそれですごい成長です。プログラミングで大きく成長する生徒は、こういう生徒です。ハマる体験というのは「ハマりなさい!」と言ってできることではないので、成長過程では非常に重要だと考えます。
オンライン プログラミング教室のデメリット
①PCとZOOM等に対応できるインターネット環境が必要
→ここに関しては、必須条件なのでツールを揃えるしかありませんが、ZOOMを使ったオンラインであれば
・タブレット
・クロムブック
・おさがりのPC
のように、とりあえず…で準備しても良いと思います。
仮に「本格的なプログラミング」や「ゲーム」もやりたい、のように目的が広がったら、それに見合ったスペックのパソコンを準備すれば大丈夫です。
むしろオンラインのためだけに、気合を入れて本格的なパソコンを購入する必要はありませんので、カリキュラムに最低限必要なツールを揃えましょう。
②孤独感がある
→ひとりでパソコンを開いて、ログインして受講する…そもそも気持ちが前向きでない限りは、この流れがハードルになるでしょう。誰も「一緒に行こう!」と誘ってくれるわけではありません。
お子さんと一緒に相談しながら、まずは
「体験授業で雰囲気を見てみよう」
くらいのライトが感覚で、いろいろ見てみると良いです。
③リアル教室の方が安心する気がする
→講師が目の前や隣にいた方が、安心する気持ちはわかります。ここはご家庭の会話でフォローしたり、学校に任せてしまうのが良いです。オンラインに関しては、違う環境に飛び込むことが大切であり、いつかは必要なチャレンジです。
モチベーション維持や成果の確認などは、お子さんからちらっと聞く程度にして、長い目で見ながらフォローしましょう。幼児が自然と興味のあることからゆっくりと言葉を覚えるように、決して焦らず見守る姿勢が大切です。
小学生向けオンライン プログラミング教室 おすすめ3選
【classmall Kids】
こちらは、マインクラフトを使ったプログラミング教室ですが、最大の魅力は月謝制ではなく全4回のコースで受講できることです。「春休みだけ、夏休みだけ」のような短期集中はもちろん「試しにやってみる」というハードルの低さがポイントです。
マインクラフトは、switch、タブレット、パソコンで日本中だけでなく、世界中の子どもが遊んでいるクリエイティブソフトです。将来「子どもの頃にマインクラフトで勉強した」と言えば、どこの国に行っても通じることでしょう。
この【classmall Kids】は小学生から中1までの年齢を対象としていますので、家でマインクラフトばっかり遊んで、いつも怒られているお子さんにはピッタリでしょう。
【e-crefus】
e-crefus(イークレファス)は、日本で初めてロボティクス教育の代名詞である「レゴ・マインドストーム」を取り入れて、2003年以降、多数のエンジニアを輩出しています。
中学3年生まで継続できる自習型プログラミング教室なので、無理なくステップを踏んで本格的なプログラミングに挑戦してきます。
最初から「パソコン大好き!」とか「もっとできるようになりたい!」という気持ちがあれば、その気持ちに応えてくれるプログラミング教室です。
【デジタネ】(旧DーSCHOOLオンライン)
100以上のプログラミング学習コンテンツが、月額料金で受け放題です。マインクラフト、Scratchなど、レベルに対応したコースを選べるので安心です。全国で50,000人以上が受講しており、動画で学んでゲームで学習する流れは、抵抗なく続けられると思います。
オンラインとはいえ、いきなり定期的に受講するのは、さすがにお子さんも構えるかもしれません。【デジタネ】であれば、無料体験14日で「向いているのかどうか」や「続けられそうか」確認できるので安心です。
まとめ
今回の記事では、オンラインのプログラミング教室について解説をしました。
お子さんがプログラミングに興味があるようでしたら、中学校に進学して忙しくなる前にチャレンジしてみることを強くおすすめします。
プログラミングができると、中学校や高校に進んでからのIT系授業でも相当アドバンテージがありますので、自信を持てることが確実にひとつ増えます。
ぜひ参考にしてみてください。