メジャーデビューアルバム【MAN WITH A MISSION】に続く、2枚目【MASH UP THE WORLD】について、個人的な思い入ればっかりを詰め込んで解説したいと思います。
全12曲を何回も聴き返して、しばらくして新しいCDに乗り移って、また聴き返してみて、自分なりに大好きなこの1枚をまとめてみました。あなたがマンウィズに興味があったり、気になったりしていて
「マンウィズってどうなの?」
「どのCDから聴けばいいかな…」
のように考えているようでしたら、参考にしてもらえるとうれしいです。
【MASH UP THE WORLD】12曲を順番に解説、というか個人的感想です。
①Mash UP the DJ!
作詞 Jean-ken Johnny
作曲 Jean-ken Johnny
のどかなオープニングから一転、激しくギターとベースがうねります。マッシュアップとは直訳すると、ごちゃごちゃに混ぜ合わせるようなイメージでしょうか、このアルバムの一発目にピッタリです。
Tokyo Tanaka(ボーカル)
Jean-ken Johnny(ボーカル、ギター)
Kamikaze Boy(ベース)
DJ Santa Monica(DJ)
Sprar Rib(ドラム)
1曲目から、この5人(5匹?)それぞれの存在感をビシビシ感じることができ「これがマンウィズだ」という名刺を、おでこに貼られた気分になります。
②FROM YOUTH TO DEATH
作詞 Kamikaze Boy
作曲 Kamikaze Boy
他のバンドではよくあることですが、マンウィズでは珍しく歌詞のほとんどが日本語、サビになると英語っていう和製ロックのお手本のような曲です。「明日の朝 あのバスに乗って 僕はこの街を飛び出す」という、キャッチャーが構えたところにストレートを投げるような歌詞とメロディが新鮮です。
③distance
作詞 Kamikaze Boy / Jean-ken Johnny
作曲 Kamikaze Boy
ジェットコースターのようなスピード感があるPOPチューンです。サイレンのようなエフェクトが私の好みだということを差し引いても、Jean-ken Johnny のたたみかけるような、ビート感たっぷりのAメロ、決してテンポが早いだけではないのですが「リズムの刻み方でこんなに体感速度が上がっちゃうの?」というサビ、ぶち込まれるラップ、とマンウィズのカッコいいポイントが全部コミコミって感じです。
「マンウィズってどんな曲なの?」
こんな質問をされたら、この曲をガツンとぶつけると思います。それくらい他のバンドでは再現不可、 ツインボーカルによるコンビネーションが気持ちよくて、気づいた時には曲が終わってしまいます。
④ニュートラルコーナー
作詞 Jean-ken Johnny
作曲 Jean-ken Johnny
ここでカタカナのタイトルです。ニュートラルコーナーとは、ボクシングの敵味方とは関係ないリングのカドのことですが、そこに寄りかかるとこんな気持ちになるのかなぁ…と思いながら優しい曲調に聴き入ってしまいます。ボクシングの歌詞ではないのですが、自分の想いを客観的に振り返っているような風景ですね。
⑤Get Off of My Way
作詞 Jean-ken Johnny
作曲 Jean-ken Johnny
10周年のベストアルバム【MAN WITH A BEST MISSON】に収められて、改めて好きになった曲です。オープニングのギターカッティングが印象に残りますが、これでもか!と続くサビが最終的に気持ちいいです。アルバムの中にあって存在感を発揮する梅干しのようなアクセントです。
⑥フォーカスライト
作詞 Jean-ken Johnny
作曲 Jean-ken Johnny
木梨憲武氏のPVが印象に残りますが、カンタンに言ってしまうと、マンウィズが「何回転んだって、子どものように夢を追いかけて走ろうよ」と言って、大人になった背中を押してくれます。
フォーカスライトとは、ステージを照らすスポットライトのようなイメージで私は聞いています。フォーカスライトのように、形があるようでないもの、それが我々を突き動かしている、そんな感じかな。「あなたがくれた魔法」が何を指しているのかは、人それぞれの自由な解釈に任せているのではないでしょうか。
➆Bubble of Life
作詞 Kamikaze Boy / Jean-ken Johnny
作曲 Kamikaze Boy
最初から最後まで、⑤Get Off of My Way のように不思議なリズムに飲み込まれてしまいます。クラブハウスで流れていてもおかしくないようなフワフワ感、ロックコンサートで重低音ガンガンで流れていてもおかしくないようなライブ感、こんな曲も作っちゃうの?とビックリする曲です。
⑧Lithium
ニルヴァーナの名曲カバーです。大切な人を失った深い悲しみの歌っていますが、正直なところ、最初の頃は「マンウィズにとって大切な歌なんだろうな…」くらいの感じではありました。マンウィズが書きそうにない歌詞を叫ぶことで、このアルバム全体に厚みを加えています。
⑨Just Like Magic
作詞 Jean-ken Johnny
作曲 Jean-ken Johnny
衝動的ロックとジャパニーズポップと合体させたような、とても聴きやすいアレンジです。どこかで聴いたことがあるんじゃないの?っていうくらい、安心感があるメロディで、アルバム後半の中核になっていると個人的には思っています。決してチープな感じはなく、初めて聴いた瞬間から、まったく印象が変わらないキラキラを持っていますね。
⑩ジダイ
作詞 Jean-ken Johnny
作曲 Jean-ken Johnny
全編日本語によるバラードです。「願いが叶う今日の一日 君なら何をする」という問いかけに、思わずくだらないことを検索してしまいそうです。時代はどんどん過ぎ去ってしまうけど、毎日に感謝を捧げたい心に染みる1曲です。
⑪Feel and Think
作詞 Jean-ken Johnny
作曲 E.D.Vedder
マンウィズのサポートメンバーで、ライブでもギターを弾いている E.D.Vedder が手掛けたレアな1曲です。パーカーにフードをかぶり、白いお面を付けているので、子どもが街で会ったら泣いちゃいそうです。マンウィズのメンバーは究極の生命体ですが、白いお面の E.D.Vedder はもっと手が付けられないくらい謎の存在ですね。
肝心の曲は、マンウィズの世界観をさらに広げながらも、アルバムにピッタリと収まっています。徐々に盛り上がって最後の曲にバトンを繋いでいます。
⑫colours
作詞 Kamikaze Boy / Jean-ken Johnny
作曲 Kamikaze Boy
マンウィズ全曲のうち、私が選ぶベスト3に入る1曲です。曲の構成がすっきりシンプルで、装飾的な演出が皆無ですが、歌詞とメロディの素晴らしさが際立ちます。
dark red , cobalt blue , pale purple , true orange , chrome yellow , moss green , scarlet , snow white , light blond , bright gold , silver , dull grey , transparent , flesh colour , all black … 様々な色があって、その1つ1つに思い出や想いが詰まっていて、色とりどりの世界が出来上がっていることを考えさせられます。あまりに詩的で良いテキストだと思いますので、英語詩を紹介してしまいます。
dark red The colour of your blood drawing the wrist
cobalt blue The colour of the sky holding it all
pale purple Umbrella, you keep from me trembling
true orange Everything coloured by the setting sun
chrome yellow You said to me it calls us happiness
moss green The hills of our town which kept us there
scarlet The colour of the children's cheek you loved
snow white It covered every sorrows among us
Colourful world we had been everywhere we're standing
Coloruful world we had lost everything
But you were standing, you were breathing just there
Under that each colours
Every light on the street had meaning of each story
Everyone believed in life day by day
But we would start it, we must start again ourselves
Put on the new colours again
light blond You showed me your calm hair proudly
bright gold The picture frame you always smile at me
silver The carved spoon we bought to start our life
dull grey I dyed all in all after you have gone
transparent The heart of the baby born today
flesh colour Seeing my hand grasped tightly
all black The colour of beginning of new days
deep brown Walking this land we have to go forward
Colourful world we had been everywhere we're standing
Colourful world we had lost everything
But you were standing, you were breathing just there
Under that each colours
Every light on the street had meaning of each story
Everyone believed in life day by day
But we would start it, we must start again ourselves
Go on the road
good bye
今回の記事では、メジャーセカンドアルバム【MASH UP THE WORLD】を解説させていただきました。
メジャーデビューを果たした【MAN WITH A MISSION】がいきなり高い完成度だったので「次のアルバムどうすんだろ?」と心配したファンも多かったと思いますが、さらに違った一面、二面、三面を見せてくれて「心配してすいませんでした」と謝った方も多いと察します。
このアルバムからピックアップしたい曲は
③distance
⑨Just Like Magic
⑫colours
ですね。あくまで個人的にですが、この3曲の安定感があるからこそ、個性的な12曲のバランスを支えている印象で、結局このアルバムは何回転でも聴けちゃいます。
マンウィズのアルバムで「どれを最初に買おうかな?」と迷ったら【MASH UP THE WORLD】はおすすめできますね。カッコいいところ満載アルバムで、コース料理というよりは豪華幕の内弁当って感じです。
これからマンウィズの世界に飛び込もうかな?と考えているのであれば、参考にしてもらえると幸いです。